【詳細解説】胃ろうから経口摂取への道 by 言語聴覚士
- atagonursing
- 2 時間前
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昨年5月に掲載した「リハビリテーションで2年ぶりに食事が食べられるようになりました」の記事は、多くの反響を頂きました。
ご入所者様の「おいしい」を取り戻す頑張りを、言語聴覚士を中心としたチームがどの様にして支え、「口から食べる」への道を進んでいるのかをご紹介します。
― 胃ろうから“昼だけ経口摂取”へ。介護老人保健施設での実例 ―
「胃ろうを造設したら、もう口からは食べられないのでしょうか?」
ご家族やケアマネジャーの方から、よくいただくご相談です。
確かに、誤嚥のリスクが高まり、安全確保のために胃ろうを選択される方は少なくありません。しかし、胃ろう=一生経口摂取不可というわけではありません。
今回は、当施設で実際に取り組んだ事例をご紹介します。
■ 2年間、経口摂取ゼロの状態からのスタート
ご紹介する入所者様は、誤嚥リスクのため胃ろうを造設され、約2年間まったく口から食べていない状態でした。
しかし、言語聴覚士が嚥下機能を評価したところ、適切な訓練と環境調整により、再開できる可能性があると判断しました。
■ まずは“飲水”から慎重に
いきなり食事を始めるのではなく、
✔ 口腔機能の詳細評価 ✔ 姿勢調整 ✔ 口腔ケアの徹底 ✔ 嚥下体操
を行い、少量の飲水から開始しました。
むせの有無、呼吸状態、声の変化を細かく確認しながら、段階的に進めていきました。
■ 言語聴覚士介助で、昼食を再開
状態が安定してきた段階で、言語聴覚士がマンツーマンで介助しながら、昼食を開始。
そのとき、ご本人がぽつりとおっしゃいました。
「久しぶりの食事だ。おいしいね。」その一言に、職員も胸が熱くなりました。
■ 現在は“自力摂取”が可能に
現在は、
車いすに乗車し
姿勢を整えた状態で
ご自身で食事摂取が可能
となっています。
栄養管理としては、
▶ 朝・夕:胃ろうからの栄養
▶ 昼:経口摂取
というハイブリッド型栄養管理を行っています。
安全性を確保しながら、「食べる楽しみ」を守る形です。
■ 「ゼロか100か」ではない選択肢
経口摂取か、胃ろうか。どちらか一方ではなく、
一部経口は可能か?
時間帯限定なら安全か?
形態調整でリスクは下げられるか?
可能性を丁寧に探ることが重要です。
私たちは、“できない理由”ではなく、“できる可能性”を探します。
■ 老健だからできる支援体制
当施設では、
医師による全身管理
看護師による状態観察
言語聴覚士による嚥下評価・訓練
管理栄養士との栄養調整
介護士による日常的な見守り
多職種が連携し、継続的に支援しています。
医療と生活の両面から支えられることが、老健の強みです。
■ こんなご相談はありませんか?
胃ろうだが、経口再開の可能性を知りたい
誤嚥性肺炎を繰り返している
むせが増えてきた
食べる楽しみを取り戻したい
早期評価が、可能性を広げます。
■ 最後に
食べることは、栄養だけでなく、人生の喜びです。
たとえ胃ろうがあっても、その方にとって最善の形を一緒に考えることができます。
私たちはこれからも、安全を第一に、最期まで“口から食べる”可能性を支えていきます。






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