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【詳細解説】胃ろうから経口摂取への道 by 言語聴覚士

  • 執筆者の写真: atagonursing
    atagonursing
  • 2 時間前
  • 読了時間: 3分

昨年5月に掲載した「リハビリテーションで2年ぶりに食事が食べられるようになりました」の記事は、多くの反響を頂きました。

ご入所者様の「おいしい」を取り戻す頑張りを、言語聴覚士を中心としたチームがどの様にして支え、「口から食べる」への道を進んでいるのかをご紹介します。


― 胃ろうから“昼だけ経口摂取”へ。介護老人保健施設での実例 ―

「胃ろうを造設したら、もう口からは食べられないのでしょうか?」

ご家族やケアマネジャーの方から、よくいただくご相談です。

確かに、誤嚥のリスクが高まり、安全確保のために胃ろうを選択される方は少なくありません。しかし、胃ろう=一生経口摂取不可というわけではありません。

今回は、当施設で実際に取り組んだ事例をご紹介します。

■ 2年間、経口摂取ゼロの状態からのスタート

ご紹介する入所者様は、誤嚥リスクのため胃ろうを造設され、約2年間まったく口から食べていない状態でした。

しかし、言語聴覚士が嚥下機能を評価したところ、適切な訓練と環境調整により、再開できる可能性があると判断しました。

■ まずは“飲水”から慎重に

いきなり食事を始めるのではなく、

✔ 口腔機能の詳細評価 ✔ 姿勢調整 ✔ 口腔ケアの徹底 ✔ 嚥下体操

を行い、少量の飲水から開始しました。

むせの有無、呼吸状態、声の変化を細かく確認しながら、段階的に進めていきました。

■ 言語聴覚士介助で、昼食を再開

状態が安定してきた段階で、言語聴覚士がマンツーマンで介助しながら、昼食を開始。

そのとき、ご本人がぽつりとおっしゃいました。

「久しぶりの食事だ。おいしいね。」その一言に、職員も胸が熱くなりました。

■ 現在は“自力摂取”が可能に

現在は、

  • 車いすに乗車し

  • 姿勢を整えた状態で

  • ご自身で食事摂取が可能

となっています。

栄養管理としては、

▶  朝・夕:胃ろうからの栄養

▶  昼:経口摂取

というハイブリッド型栄養管理を行っています。

安全性を確保しながら、「食べる楽しみ」を守る形です。

■ 「ゼロか100か」ではない選択肢

経口摂取か、胃ろうか。どちらか一方ではなく、

  • 一部経口は可能か?

  • 時間帯限定なら安全か?

  • 形態調整でリスクは下げられるか?

可能性を丁寧に探ることが重要です。

私たちは、“できない理由”ではなく、“できる可能性”を探します。

■ 老健だからできる支援体制

当施設では、

  • 医師による全身管理

  • 看護師による状態観察

  • 言語聴覚士による嚥下評価・訓練

  • 管理栄養士との栄養調整

  • 介護士による日常的な見守り

多職種が連携し、継続的に支援しています。

医療と生活の両面から支えられることが、老健の強みです。

■ こんなご相談はありませんか?

  • 胃ろうだが、経口再開の可能性を知りたい

  • 誤嚥性肺炎を繰り返している

  • むせが増えてきた

  • 食べる楽しみを取り戻したい

早期評価が、可能性を広げます。

■ 最後に

食べることは、栄養だけでなく、人生の喜びです。

たとえ胃ろうがあっても、その方にとって最善の形を一緒に考えることができます。

私たちはこれからも、安全を第一に、最期まで“口から食べる”可能性を支えていきます。



 
 
 

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