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誤解してませんか? 「誤嚥=即絶食ではありません」

  • 執筆者の写真: atagonursing
    atagonursing
  • 6 時間前
  • 読了時間: 2分

〜適切な評価と食形態調整で“食べ続ける”を支える老健〜

「誤嚥があると言われました」

その一言で、“もう口からは食べられないのではないか”と不安になるご家族は少なくありません。


■ 誤嚥は「状態」であり「結論」ではない

誤嚥とは、食物や唾液が気管へ流入する現象を指します。

重要なのは、

  • どの食形態で起きているのか

  • どのタイミングで起きるのか

  • 咳反射は保たれているか

  • 反復唾液嚥下や姿勢で改善するか

という機能評価です。

嚥下障害の臨床では、

  • 誤嚥があっても肺炎を発症しないケース

  • 適切な食形態調整で経口摂取が維持できるケースが多数存在します。


■ 食形態調整はリスクマネジメント

当施設では、言語聴覚士が食事場面を直接評価し、

  • 食形態(常食・軟菜・キザミ・ペーストなど)

  • 一口量

  • 食事姿勢

  • ペース

  • とろみ濃度

を細かく調整します。たとえば、

✔ 水分では誤嚥するが、軽度とろみで安全に嚥下可能✔ きざみ食ではバラつくが、ペースト食でまとまりが向上✔ 頸部前屈姿勢で誤嚥が減少といった改善がみられることは珍しくありません。これは“我慢の食事”ではなく、安全域を確保するための専門的調整です。


■ とろみの正しい濃度とは?

とろみは嚥下スピードを調整し、咽頭通過時間をコントロールするための有効な手段です。

しかし、濃ければ良いわけではありません。

過度なとろみは

  • 咽頭残留の増加

  • 水分摂取量の低下

  • 脱水リスク

を高める可能性があります。

当施設では、

  • 粘度の客観的目安

  • 実際の嚥下状況

  • 水分摂取量

を総合的に評価し、必要最小限のとろみを選択しています。


■ 老健だからこそできる継続評価

急性期と違い、老健では

  • 日内変動

  • 体調変化

  • 筋力や姿勢の改善

を継続的に追うことができます。その結果、

ペースト食 → キザミ食へ中等度とろみ → 軽度とろみへと段階的に引き上げられるケースもあります。誤嚥を理由に経口摂取を止めるのではなく、“どうすれば安全に続けられるか”を検討する場所でありたいと考えています。


■ 誤嚥は“終わり”ではなく“調整の始まり”

誤嚥は確かにリスクです。

しかし、それは即絶食の宣告ではありません。

適切な評価と食形態調整により、食べる楽しみを守ることは可能です。

私たちは、安全と生活の質の両立を支える老健でありたいと考えています。


 
 
 

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