top of page

「むせてないから大丈夫?」老健の言語聴覚士(ST)が見る“食べる力”のサイン ~老健の言語聴覚士が行う「食べる力」の支援~

執筆者の写真: atagonursing
atagonursing
11 分前
読了時間: 3分

退院後、「食事は普通に食べられるようになったのかな?」「まだむせることがあるけれど大丈夫かな?」と、ご家族やケアマネジャーが気になることは少なくありません。

当施設では、言語聴覚士(ST)が実際の食事場面に入り、食べ方・飲み込み方・食事中の様子を観察しながら、安全に食べ続けるための支援を行っています。

STは、食事中のここを見ています!

食事の様子を見ながら、単に「むせているかどうか」だけを確認しているわけではありません。


■ 姿勢椅子や車いすに安定して座れているか、頭や体の位置が食事に適しているかを確認します。

■ 食事のペース一口ごとの間隔が短すぎないか、急いで食べていないか、反対に時間がかかりすぎていないかを見ます。

■ 一口量一度に口へ入れる量が、その方に適しているかを確認します。

■ 嚥下のタイミング口の中で食べ物をまとめてから飲み込めているか、飲み込みが遅れていないかなどを観察します。

■ むせ食事中だけでなく、水分を飲んだときや食後にも咳が出ていないか確認します。

■ 声の変化飲み込んだ後に声が濁ったり、いつもと違う声になったりしていないかを確認します。

■ 口腔内の残留食後に頬の内側や舌の上などに食べ物が残っていないかを見ます。

■ 食後の疲労食事の後に強く疲れていないか、食事時間が長くなることで負担が増えていないかも大切なポイントです。

「むせていないから大丈夫」とは限りません

食事中にむせることは、食べ物や飲み物が気道に入りかけたときなどに起こる反応の一つです。

一方で、むせの有無だけでは食事の安全性を判断できません。

そのためSTは、むせだけを見るのではなく、

上記の評価項目を組み合わせて、その方の食事の様子を評価します。


例えば、こんなケースがあります

架空事例:80代・男性

脳梗塞後に病院を退院し、老健へ入所しました。

病院からは「食事中に時々むせる」との情報がありました。

STが実際の食事場面を観察すると、むせそのものよりも、

「一口量が多い」「次の一口を急いでいる」「食事の後半になると疲れて姿勢が崩れてくる」

という様子が見られました。

そこで、姿勢や一口量、食事のペースなどを調整しながら経過を確認していきます。

このように、「むせる」という一つの情報から、その背景に何があるのかを実際の食事場面で確認することも、老健でのSTの役割の一つです。

※事例は説明のための架空事例です。実際の対応は、ご本人の状態や評価結果によって異なります。


「食べる」を、その人らしい生活につなげる

食事は、栄養を摂るためだけのものではありません。

「できるだけ口から食べたい」「好きなものをもう一度食べたい」「家族と一緒に食卓を囲みたい」

そうした思いも、食支援を考えるうえで大切にしたいことです。

当施設のSTは、医師、歯科医師、看護師、介護士、管理栄養士、など多職種と連携しながら、その方にとって安全で、無理なく、できるだけ食べることを続けられる方法を一緒に考えていきます。



 
 
 

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page